レポート

市政レポート「子ども手当の地方負担どうなるの?」

2011年2月7日

平成23年度の地方財源対策が年末12月24日に発表されました。この中で子ども手当に関する暫定措置も示されました。従来、同手当は月額1万3000円とされていましたが、3歳未満の子どもに限り月額2万円へ支給額が引き上げられます。同手当の一部として、児童手当法に基づく児童手当を支給する仕組みは存続され、児童手当分に限り地方負担も継続されることとなりました。地方負担は元来、22年度限りの暫定措置でありました。地方側は一貫して、子ども手当のような全国一律の現金給付については、国が全額を負担すべきと主張してきました。しかし、地方財源対策に先駆けて開催された「子ども手当5大臣会合」において、既に地方負担が継続される方針が示されたため、地方団体組織は12月21日「子ども手当に関する共同声明」を発表し、24年度以降は地方の理解が得られる姿とするよう求めました。

さいたま市や川崎市などをはじめとしていくつかの自治体では、子ども手当の費用を2011年度当初予算案において、市の地方負担分を計上せず、全額国庫負担とすると発表をしています。ただ、市民に対しては満額支給するため、なお最終的に国が地方負担分を支出しない場合、市財政調整基金から支出するなど工夫が必要となります。民主党のマニフェストでは子ども手当の財源は全額国庫負担となっており、「国が負担すべきだ」するのが大方の自治体の共通見解であります。川口市では3月議会においての23年度予算案で地方負担分を規程通り本市で負担するよう予算化する予定とのことです。

子ども手当に関する共同声明(抜粋)

子ども手当の財源我々地方は昨年来、保育所のようなサービス給付については、それぞれの地域の実態に応じた形で地方自治体の創意工夫により地方が担当すべきである一方、子ども手当のような全国一律の現金給付については国が担当し、全額を負担すべきと一貫して主張し続けてきた。それにもかかわらず、地方負担が再び継続されることになったことは誠に遺憾である。一方、保育料や学校給食費について、子ども手当から徴収できる仕組みが導入される方向となったことは住民間の公平・公正を確保する観点から地方が強く要請してきたものであり、その努力を多としたい。また、地方の子育て支援サービスの拡充のため、新たな交付金制度が設けられることとなった。現金給付とのバランスをとるものであり、評価したい。地域の実情に応じた柔軟で自由度の高い再度設計を求めるものである。税制改革による地方の増収分について、その使途を国が実質的に決めるようなことはあってはならない。十分協議・検討の上、地方の理解が得られるかたちで制度改正がおこなわれるよう求める。

市政レポート「自主財源を増やすための債権回収施策について」

自治体における債権回収は、そのまま自主財源に結びつくことから、重要です。「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」が平成 12 年 4 月に施行され、地方自治体はより自主的・自立的財政運営を行うことが求められています。平成 19 年度からは大幅な地方への財源移譲もあり地方税収の占めるウェイトはますます重くなっているといえます。本市においても国民健康保険税を含む市税滞納、市営住宅使用料滞納など様々な滞納事例を聞いております。行政が行う回収が十分に機能してこなかったことも原因の一つであるかもしれません。しかし、このような状況を放置すれば、納税者の地方税に対する不公平感は増大し、地方行政への信頼を著しく損ねることとなります。市町村では徴収専門職員が不足していたり、人事異動などにより徴収の専門知識やノウハウが蓄積されなかったり、滞納者との距離が近く差し押さえ処分がやりづらいなどの理由でなかなか回収が進んでいないようです。

社会経済情勢の変化に伴い、地方税の滞納事案は年々広域化・複雑化しており、このため、処理困難事案が急増してきています。団体により程度差はあるものの、地方税徴収組織が、共通して抱える問題であるところ、市町村の収入未済額の縮減を図るためには、市町村が単独で取り組むよりも広域的な徴収体制を整備し、専門的な滞納整理を行う方が、より効率的であると考えられることから、茨城県では全市町村を構成団体とする「市町村税の徴収のための地方自治法第 284 条第 2 項」の規定に基づく一部事務組合「茨城租税債権管理機構」を、また、三重県や和歌山県においても地方税に関する債権回収機構を広域的に組織しており実績を上げているようです。

川口市では昨年末、役職職員までもが役所の外に出て債権回収に当たったとの様子を伺っており、大変なご苦労があったかと思います。債権回収を民間に委託するという方法もあろうかと思いますが、ここには地方税法による規制があり、現行法では、税の収納事務を民間に委託することはできても、徴収事務を委託することは許されていません。納税者についての重要な秘密情報が存在することや、差し押さえや公売等の強制執行である公権力行使を民間委託することはなじまないとし、徴収事務に関しては地方公共団体の職員に限定しています。とはいえ自主財源である税収の確保は重要であり、埼玉県においても広域的な債権回収を目的とした機構を設置することが望まれます。。