会報

議員になって6か月がたちました。地方議会への思いをつづりました

2010年8月27日

地方議会はいったいどこへ行くのか

地方分権一括法が平成12年に施行されてからもうすぐ10年が経とうとしている。同法において、地方公共団体は、「住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うもの。」とされ、国は「国際社会における国家としての存立にかかわる事務、全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動若しくは地方自治に関する基本的な準則に関する事務又は全国的な規模で若しくは全国的な視点に立って行わなければならない施策及び事業の実施その他の国が本来果たすべき役割を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本として、地方公共団体との間で適切に役割を分担すると共に、地方公共団体に関する制度の策定及び施策の実施に当たって、地方公共団体の自主性及び自立性が十分発揮されるようにしなければならない。」とされている。
同法を基に今まで地方自治体で7〜8割を占めていた国の機関委任事務が廃止され、いわゆる権限の移譲が行われてきた。
これに伴い平成16〜18年には三位一体改革が行われ、国からの地方交付税が減額され、税財源の移譲も行われるようになり、地方自治体が自らの財源で住民の意向に沿った政策を行えるようになった。
しかし、今まですべて霞が関で取り仕切っていた政策や事務を簡単には移譲できないことから、平成18年には地方分権改革推進法が施行され、国と地方の役割分担を見直し、地方公共団体の自主性及び自立性を高めることとされた。
こうして、地方公共団体の権限が増すと共に、責任も拡大した。

さて、地方分権が推し進められる中、地方議会の役割も増大するはずであるが、はたして地方議会及び地方議員にはそれを担う能力があるといえるだろうか。
市区町村の地方選挙は直接選挙であり、市長も議員も住民の投票によって選出されている二元代表制である。市長は行政機関のトップであり、議長を先頭とする議会とは対等な立場にあるが、地方議会の力が弱いと言われているのはなぜか。
現在の地方自治体の首長には圧倒的な力がある。本来、行政機関の長の権限は執行権であるから仮に議会がノーと言えば、執行することはできない。ところが、国主導で安穏と過ごしてくることができた地方議会は地方行政を監視やけん制はしても本来の職務である政策立案及び立法活動は行政側から上程されてきた条例改正等の議案を承認するに止まり、自ら立法権を行使してこなかったのではないか。

国会議員には政策秘書を3人置くことを許されている。彼らには公費で給与が支払われている。また、知事や市長などの首長には政策秘書室が設けられているし、行政職員はすべて首長のブレーンとなりうる。
先だって、市議会議長会に出席した折、議会が力を持つためには議会事務局の力を借りるべきとの意見があった。議会事務局もまた行政職員つまり市長サイドのブレーンである。要するに、地方議員は丸腰で首長と闘っていることになる。もちろん闘うばかりではなく、それが住民の利益になるのであれば、当然承認すればいいことであるが、議会が自ら考える力すら失っているのはいかがなものか。

地方議員は秘書を持つことは許されているが、年々削られる政務調査費用では優秀な政策秘書を持つことは不可能である。本来政務調査費用とは、政策立案に要する費用であったはずであり、かつての地方議員がそれを必要とする立場になかったため、むやみに流用し飲食にあてたことから、市民オンブズマンのかっこうの餌食となったのではないだろうか。
地方自治体が地方分権を確立するためには、地方議会が地方議員は、住民の選挙によってその代表として選出されているが、ただの代弁者であってはならない。その地方にとって何が必要であるか、また財源はどうすべきか、将来性も含めて議会で議論し、国で言うならば官僚である行政職と意見を交換し、対等に意見を交わす能力を有さなければならないのではないか。そのためには議員の専門職化も必要かもしれない。

ある行政職員に、「地方分権で権限は地方に移譲されたはずだ!」と述べたところ「我々に、何の権限が移譲されたというのですか?!」と言い返されたことがある。地方議会が政策立案能力を高めることが喫緊の課題である。